a IT Service Management Seminar Report
8/2(金) に行われた以下セミナーの自分用のメモ
https://itstrategy.jp/itil/itil4/
AGENDA
- ITIL4・ISO/IEC20000:2018の概要
- SIAM・PRINCE2などの関連フレームワーク
- 効果的なITサービスマネジメントの実践
- (主催社)サービス紹介
ITIL4・ISO/IEC20000:2018の概要
ITILとITサービスマネジメント
- ITサービスマネジメントとは
    - 事業ニーズを満たす良質のITサービスを実施および管理すること
 
- ITILとは?
    - ITサービスマネジメントのお手本
 
- ISO/IEC20000とは?
    - ITILを参照してまとめられたITサービスマネジメントの国際標準規格
 
ITIL の歴史
- ISO/IEC
    - DISC PD 0005・BS 15000
- ISO/IEC20000:2005
- ISO/IEC20000:2011
- ISO/IEC20000:2018
 
- ITIL
    - V1(1989): 止まらない(止めない)ITサービス
- V2(1996):ビジネス要件を満たすためのITサービス
- V3(2007):ビジネスに対して価値を提供するITサービス
- V4(2019-):ビジネスとITの融合による新たな価値創造
 
ITIL V3 と ITIL V4 の相違点
- V3:ライフサイクル
    - ITの顧客に対するサービス提供
- V3 のデメリット
        - ライフサイクルという考え方なので、どこかを変えると全体に影響が出る
 
 
- V4:モジュール
    - 企業の顧客に対する商品・サービス提供
- V4のメリット
        - モジュール 個別なので影響範囲が小さい
 
 
ITIL4の体系
- Foundation
- Strategic Leader (SL)
    - Strategist
        - Digital & IT Strategy
- Direct, Plan & Improve
 
 
- Strategist
        
- Managing Professional (MP)
    - Specialist
        - High Velocity IT
- Drive Stakeholder Value
- Create, Deliver & Support
 
 
- Specialist
        
- Master : 日本に1人だけ。実績を問われるとかいろいろある
体系図:ITIL4とITILv3
 
 
ITIL4の特徴
- ライフサイクルからモジュールへ
- 全体論的なアプローチへ
- 価値の共同創造
- プロセスからプラクティス
    - 手順はあまり書いてない
 
- 他のプラクティスや新しい働き方との融合
    - 使えるものは外部のものをうまく使う
 
ITIL4ファンデーションの構成
- イントロダクション
- サービスマネジメントのキーコンセプト(5問)
- サービスマネジメントの4つの視点(2問)
- ITILサービスバリューシステム(SVS)(9問)
- ITILマネジメントプラクティス(24問)
5 + 2 + 9 + 24 = 40
ITIL4 プラクティス
- General management practices (統合管理)
    - Architecture management(アーキテクチャ管理)
- Continual improvement(継続的改善) ◯
- Information security management(情報セキュリティ管理) △
- Knowledge management(ナレッジ管理)
- Measurement and reporting(測定と報告)
- Organizational change management(組織変更管理)
- Portfolio management(ポートフォリオ管理)
- Project management(プロジェクト管理)
- Relationship management(関係管理) △
- Risk management(リスク管理)
- Service financial management(サービス財務管理)
- Strategy management(戦略管理)
- Supplier management(サプライヤ管理) △
- Workforce and talent management(要因と能力管理)
 
- Service management practices
    - Availability management(可用性管理)
- Business analysis(ビジネス分析)
- Capacity and performance management(キャパシティ・パフォーマンス管理)
- Change control(変更コントロール) ◯
- Incident management(インシデント管理) ◯
- IT asset management(IT資産管理) △
- Monitoring and event management(モニタリング及びイベント管理) △
- Problem management(問題管理) ◯
- Release management(リリース管理) △
- Service catalogue management(サービスカタログ管理)
- Service configuration management(サービス構成管理) △
- Service continuity management(サービス継続性管理)
- Service design(サービスデザイン)
- Service desk(サービスデスク) ◯
- Service level management(サービスレベル管理) ◯
- Service request management(サービス要求管理) ◯
- Service validation and testing(サービスの妥当性確認及びテスト)
 
- Technical management practices
    - Deployment management(展開管理) △
- Infrastructure and platform management(インフラストラクチャ・プラットフォーム管理)
- Software development and management (ソフトウェアの開発と管理)
 
(◯と△の意味が何だったかは忘れてしまった…◯がv3のだいたいそのまま、△がいろいろ変わった?)
図:ITILv3のライフサイクル(26プロセス) と ITIL4のプラクティス(34)
 
ITIL3資格からITIL4資格への移行
- 基本的には新たな認定資格として再受験が必要
- 唯一、移行可能なのは、「MPトランジション」
ITIL4をどう扱うべきか
- ITIL V3 が陳腐化したわけではない
- ITIL4はV3を理解し実践できている組織の「次のステップ」として捉えるべき
    - バージョンアップではなく、ステップアップ
 
今後のスケジュール
- 日本語版はまだ 1
- 試験がまだ日本語になってない
ISO/IEC20000:2018 2
Fig: Service Management System (SMS)
 
    
SIAM・PRINCE2などの関連フレームワーク
SIAM
SIAMとは
- サービスインテグレーション & マネジメント
    - 複数のサービスプロバイダから調達したサービスが含まれる環境に適用できるマネジメント方法論
- 情報システム部門を通さない、ビジネス側のサービスプロバイダ(クラウド・外部)の利用:シャドーIT含む
 
SIAMの歴史
| Year | Note | |
|---|---|---|
| 2005 | 英国の公共機関がSIAMのコンセプトを考案 | |
| 2010 | 英国政府が発表した「ICT戦略」の方向性にSIAMマネジメント方法論が採用された | |
| 2012 | 「Cross Government Strategic SIAM Reference Set(省庁横断 戦略的SIAMリファレンス集)」を英国政府が出版 | |
| 2016 | Van Haren Publishing から サービス・インテグレーション・アンド・マネジメントの原則とプラクティス が発行される(日本語化済) | |
| 2017 | SCOPISM が SIAM Foundation Body of Knowledge(SIAMファンデーション知識体系)を発行3 | |
| EXIN/BCS がSIAMファンデーション認定試験を開発 | ||
| 2018 | SIAMファンデーション知識体系及び認定試験の日本語化 | 
英国政府SIAMエンタープライズモデル2012
Fig.
 
 
SIAMエコシステム
- SIAM の最大の特徴
- 3つのレイヤ
    - 顧客組織
        - 戦略、方針、調達、契約管理、コーポレートガバナンスなど(リテインド能力)の責任を負う
 
- サービスインテグレータ
        - E2Eのサービスガバナンス、マネジメント、インテグレーション、保証及びコーディネーションなどの責任を負う
 
- サービスプロバイダ
        - 1つ以上のサービスまたはサービス要素のデリバリの責任を負う
 
 
- 顧客組織
        
SIAM認定資格制度
- SIAMファンデーション
- SIAMプロフェッショナル
PRINCE2
PRrojects IN Controlled Environments, 2nd version
PRINCE2とは
- プロジェクトマネジメントのフレームワーク
    - PMBOK:3国のみ
- PRINCE2:世界的
 
| Year | Note | 
|---|---|
| 1989 | 英国政府中央電子計算機局 (CCTA) が PRINCE を開発 (ITプロジェクトの管理基準) | 
| 1996 | 大幅改定、より汎用的なプロジェクトマネジメント手法として PRINCE2 となる (ITプロジェクト以外にも適用可能に) | 
| 2009 | 改定 -> https://www.axelos.com/certifications/prince2-2009-certifications | 
| 2017 | 改定 -> https://www.axelos.com/certifications/prince2 | 
日本語版は 2015年11月発行 (2009年版)
PRINCE2の価値
- PMBOKとの違い
    - PMBOK
        - プロジェクトマネージャーのため
- PMが学ぶ
 
- PRINCE2
        - プロジェクトにかかわるみんなのもの
- 運用関係の人が学ぶ
 
 
- PMBOK
        
- シンプルな構成(7つの原則、7つのテーマ、7つのプロセス)
- アジャイル開発との親和性が高い(PRINCE2Agile)
- 「価値計画書」 いかに価値を出すか
    - 例)コスト100万、価値300万、予算50万
        - PMBOK -> やらない(予算が足りないから)
- PRINCE2 -> やる(価値が出せるから)
 
 
- 例)コスト100万、価値300万、予算50万
        
- PMBOKと補完関係
PRINCE2とPMBOKの相違点
https://itstrategy.jp/pm/princepmbok/
https://www.slideshare.net/itpreneurs/prince2pmbokitil
PRINCE2(2009年バージョン)の資格
- 受験要件はないが、実働2年以上、を想定
- PRINCE2ファンデーション
- PRINCE2プラクティショナ
効果的なITサービスマネジメントの実践
- 組織のビジョンの明確化・共有が重要( ITILがゴールではない)
- 「いいとこ取り」をする
(主催社)サービス紹介
- 課題・問題を顕在化させるためのアセスメント
- 事例を使ったグループワーク研修
- ISO/IEC20000ベースのプロセス標準化支援
- ITIL4Foundation認定試験&書籍販売
- ITIL4ファンデーションブリッジ研修
    - V3がベース
 
- ITIL4ファンデーション認定資格試験対策研修
- ITILファンデーション(V3)試験対策研修
- SIAMファンデーション研修
- PRINCE2公式書籍(日本語版)
- PRINCE2ファンデーション資格対策研修
- PRINCE2プラクティショナ資格対策研修
- PRINCE2有資格者のためのPMBOK研修(近日公開予定)
Note
- 
      年内には? ↩ 
- 
      https://www.iso.org/obp/ui/#iso:std:iso-iec:20000:-1:ed-3:v1:en↩
- 
      日本語版入手可能 ↩ 
